耳鼻咽喉疾患

機能性難聴・心因性難聴(Functional Hearing Loss)

2025/8/3

1. 特徴

機能性難聴とは、聴力検査上は異常がない、または医学的原因が見つからないのに「聞こえにくい」と訴えるタイプの難聴です。
特にストレス・トラウマ・心理的要因と関わることが多く、「心因性難聴」や「ヒステリー性難聴」とも呼ばれることがあります。

「気のせい」ではなく、実際に“聞こえない”と感じる現象であり、心と神経機能のバランスにアプローチするケアが重要です。


2. 原因

  • 強いストレス・情緒的ショック

  • 家庭・学校・職場での人間関係の圧力

  • 長期にわたる精神的緊張・抑圧

  • 身体症状化(心因性身体反応)

  • 子どもや思春期に多く、心理的葛藤の表現として出現する場合も


3. 症状

  • 片耳または両耳の「聞こえづらさ」

  • 会話はできるのに、特定の場面でのみ聞こえにくい(例:先生の声だけ)

  • 自分の声は聞こえるのに、相手の声だけ聞きづらい

  • 検査結果と本人の訴えが一致しない

  • 睡眠障害、食欲低下、疲労感などを伴うことも

  • ストレス環境が変化すると、自然に改善する例も多い


4. 分類(テキスト形式)

機能性難聴は、以下の2タイプに分けられます

  • 心因性難聴(Psychogenic Hearing Loss)
     心理的ストレスや葛藤が原因で、無意識に聴覚機能に影響を及ぼしているもの。子どもや思春期の若者に多い。

  • 詐聴(Malingering)
     本人が意図的に「聞こえない」と装うケース。学校や家庭での回避行動の一環で現れることがある。純粋な機能性難聴とは区別が必要。


5. 診断方法

  • 聴力検査(純音・語音聴力検査)で正常または不整合な結果

  • ABR(聴性脳幹反応)検査で聴覚神経経路の反応を確認

  • OAE(耳音響放射)で内耳の機能を評価

  • 聴覚反応が生理的には存在しているかを確認することがカギ

  • 同時に、心理的背景・家庭環境・ストレス因子の評価も必須


6. 治療方法(西洋医学)

  • 環境調整・ストレス要因の除去

  • 心理療法(カウンセリング・認知行動療法)

  • 精神科・心療内科との連携が必要な場合もある

  • 子どもの場合、学校や家庭との連携した対応が重要

  • 薬物療法(抗不安薬・抗うつ薬)はあくまで補助的


7. 予後と注意点(西洋医学)

  • ストレスや葛藤の解消とともに、自然に聴力が回復する例が多い

  • 適切な対応がされずに放置されると、“聞こえない役割”を強化してしまい慢性化するリスクも

  • 「嘘をついている」と責めると、悪化する場合もあり、共感と安心が治癒の鍵


8. 東洋医学での解釈

東洋医学では、機能性難聴は以下のように捉えられます

  • 肝鬱気滞型:情緒の滞り(怒り・抑圧)により気の流れが乱れ、耳の通りが塞がれる

  • 心脾両虚型:過労や心配が続くことで、気血が不足し、耳への栄養が届かない

  • 腎精不足型:先天的虚弱や長期の心身疲労により、耳(腎の華)の働きが低下

  • 痰濁内阻型:体内の“濁り”が経絡を塞ぎ、感覚の伝達を阻害する

耳は「腎」に属し、また「心(神)」や「肝(情緒)」とも関わる器官であり、心身のバランス失調としてとらえることが基本です。


9. 鍼灸でのアプローチ

当院では、以下のような統合的施術を行っています

● 耳と神経系のバランスを整える

  • 翳風・聴宮・聴会・完骨・風池などで耳周囲の通路を活性化

  • 百会・神門・内関・太谿などで自律神経と心の安定を図る

● 心身の緊張を解き、巡りを回復

  • 肝兪・脾兪・腎兪・三陰交・太衝などで情緒・血・精のバランス調整

  • 必要に応じて温灸・耳鍼・吸玉・深呼吸法の指導も併用

● 環境と感情のケアを重視

  • 鍼灸だけでなく、家庭・学校・職場環境の見直し、本人の安心感の醸成を重視

  • 子どもの場合は親の接し方、声のかけ方も治療の一環と考えます


まとめ

機能性難聴は、「音が聞こえない」だけでなく、
“心の声が届いていない”というサインでもあります。

耳と脳、神経と感情のあいだにある“通路”を、
鍼灸と対話によってやさしく整えていくことが本質的な治癒につながります。

「異常がない」ではなく、
「あなたの感覚に異変がある」という事実を、まっすぐに受け止める医療を。

当院では患者の利益を最優先に考えていますので、東洋医学に理解のある医師、病院からの連携、相談を歓迎しております。

※当院では、医学的な診断・治療・医療的アドバイスは一切行っておりません。鍼灸施術は医療行為ではなく、効果には個人差があります。
※持病をお持ちの方、治療中の方には、医療機関の受診・継続的な通院を強く推奨しています。
※当院の施術は、病気そのものへの治療ではなく、症状の緩和や体質改善、生活の質の向上を目的としています。
※症状や医療機関での治療状況によっては、医師の診断・同意書・連携が必要となる場合があります。


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西洋医学としての基本情報、東洋医学での解釈、視点の2つで記事を書いています。
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岡田家鍼灸院 由布院本院
Okada Family Acupuncture & Moxibustion
Clinic Yufuin

2016年に東京で開業した院を移転、
2023年12月、自然に囲まれた大分県、由布院。
由布岳のふもとに新たな拠点を開院しました。
Originally opened in Tokyo in 2016,
the clinic was relocated to Yufuin, Oita in December 2023.
Now based at the foot of Mount Yufu, it offers care in a serene, natural setting.

住所
Address

大分県由布市湯布院町川上1266-8
1266-8 Kawakami, Yufuin-cho, Yufu City,
Oita Prefecture Japan

Tel

+81 090-7525-8781

営業時間
Business Hours

午後1時ー6時 完全予約制
13:00-18:00 (on) a subscription-only system

営業日
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