筋骨格系疾患
手の痺れ・しびれ(Hand Numbness)
2025/8/3
1. 特徴
手のしびれとは、指先〜手首〜前腕にかけて現れる感覚の異常で、「ピリピリ」「ジンジン」「感覚が鈍い」「力が入りにくい」など、表現や感じ方は人それぞれです。
単なる血行不良だけでなく、神経・血管・筋肉・頸椎・内臓疾患・ストレスなど、さまざまな要因が絡んでいます。
2. 原因
手のしびれの原因は多岐にわたりますが、主に以下の領域に分類されます
神経圧迫:頚椎ヘルニア・胸郭出口症候群・手根管症候群など
末梢神経障害:肘部管症候群・尺骨神経麻痺・橈骨神経麻痺など
脳血管障害:脳梗塞・一過性虚血発作(特に片側性のしびれ)
内科的疾患:糖尿病・甲状腺機能低下症・ビタミンB群不足
整形外科的原因:筋膜癒着・ストレートネック・頸肩部の筋緊張
心理的要因:ストレス・自律神経の乱れ・心因性しびれ
3. 症状
手の指〜前腕にかけてのしびれ(片手または両手)
「物を落としやすい」「細かい作業がしにくい」
朝起きたときに手がしびれている
特定の動作や姿勢でしびれが悪化する(スマホ・パソコン作業など)
肩こり・首こり・頭痛を伴うことも多い
4. 分類(テキスト形式)
手のしびれは、以下のように分類されます
神経根性しびれ:頸椎の神経根が圧迫されることによる。頚椎ヘルニアや狭窄症が代表的。
末梢神経性しびれ:手首や肘などで神経が圧迫される(例:手根管症候群、肘部管症候群)。
血行不良によるしびれ:冷えや圧迫、動脈硬化、レイノー現象などが原因。
中枢性しびれ:脳の障害によって感覚が変化する(脳梗塞・脳腫瘍など)。
心因性しびれ:ストレスや感情の抑圧により無意識に生じるしびれ。
5. 診断方法
問診・感覚テスト・徒手検査(Tinel徴候、Phalenテスト、Spurlingテストなど)
血液検査(糖尿病、ビタミン欠乏、甲状腺などのスクリーニング)
レントゲン・MRI(頚椎・手関節の構造評価)
神経伝導速度検査・筋電図:末梢神経の障害レベルを把握
必要に応じて脳の検査や循環器評価も併用
6. 治療方法(西洋医学)
原因疾患の治療(椎間板ヘルニア、糖尿病、甲状腺疾患など)
薬物療法:神経障害性疼痛薬(プレガバリン等)、ビタミンB12、NSAIDsなど
装具療法:夜間用リストスプリントなど(手根管症候群に有効)
リハビリ・ストレッチ・筋トレ:神経滑走・筋緊張の緩和
神経ブロック注射:痛みが強い場合
手術療法:保存療法で効果がない重症例に適応
7. 予後と注意点(西洋医学)
原因が明確であれば、早期に対処することで改善が期待できる
放置すると神経の変性・筋萎縮・回復困難になるケースもある
慢性的な症状は、生活習慣・姿勢・ストレス対策が重要
複数の要因が重なっているケースも多く、統合的な視点が求められる
8. 東洋医学での解釈
手のしびれは、東洋医学では以下のように分類されます
痺証(ひしょう):風・寒・湿の外邪が経絡に侵入し、気血の巡りを妨げる
気血両虚型:気と血が不足し、末端の感覚器官を養えない状態
瘀血型:血の滞りがあり、血管や経絡が塞がれて感覚が鈍くなる
肝血虚型:筋や神経を養う肝の血が不足し、しびれや疲労感が出やすい
腎精不足型:慢性的な消耗・老化により神経伝達の力が低下している状態
9. 鍼灸でのアプローチ
当院では以下のような施術を行っています
● 急性・慢性期の神経症状ケア
曲池・合谷・外関・神門・肩井・天宗などで上肢の経絡を整え、神経圧迫・血行不良を改善
百会・太渓・三陰交・肝兪・腎兪などで体質の底上げを図り、根本から巡りを整える
● 経絡と姿勢の調整
頸肩の筋緊張を解消する温灸・吸玉・頭鍼療法を組み合わせ
自律神経のバランスを取ることで、脳〜末梢までの“つながり”を再構築
● セルフケアと生活改善指導
手首・肩・首のストレッチ、入浴・睡眠・栄養の見直し
スマホ・PCなどのデジタル姿勢への工夫と休憩法も提案
まとめ
手のしびれは、単なる神経圧迫だけではなく、
「巡り」「構造」「精神状態」「内臓機能」まで含めた“体の叫び”です。
統合医療では、
西洋医学で構造や原因を見極め、
東洋医学で気血の流れと体質を整える
この両輪によって、根本からの改善と再発予防を目指します。
「原因不明」と言われたしびれにこそ、
本質的に向き合う価値があります。
当院では患者の利益を最優先に考えていますので、東洋医学に理解のある医師、病院からの連携、相談を歓迎しております。
※当院では、医学的な診断・治療・医療的アドバイスは一切行っておりません。鍼灸施術は医療行為ではなく、効果には個人差があります。
※持病をお持ちの方、治療中の方には、医療機関の受診・継続的な通院を強く推奨しています。
※当院の施術は、病気そのものへの治療ではなく、症状の緩和や体質改善、生活の質の向上を目的としています。
※症状や医療機関での治療状況によっては、医師の診断・同意書・連携が必要となる場合があります。

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