消化器疾患

過敏性腸症候群(IBS:Irritable Bowel Syndrome)

2025/8/2

1. 特徴

過敏性腸症候群(IBS)は、明確な器質的異常(炎症や潰瘍など)がないにも関わらず、腹痛・下痢・便秘などの腸の不調が慢性的に続く疾患です。

特に若年〜中年の女性に多く、緊張やストレスで悪化しやすいことから、「心と腸の相関(腸脳相関)」の関与が注目されています。
電車や外出先での不安感、試験前や仕事前の腹痛など、QOL(生活の質)を大きく下げる疾患です。


2. 原因

  • 腸の運動異常(蠕動運動の亢進または低下)

  • 腸の知覚過敏(わずかな刺激でも痛みや不快感を感じる)

  • 自律神経の乱れ・ストレス反応の過敏性

  • 腸内細菌のバランス異常(ディスバイオーシス)

  • 消化器感染後に発症することも(感染後IBS)

  • 女性ではホルモンバランスの影響


3. 症状

  • 腹痛または腹部不快感(排便で改善することが多い)

  • 下痢または便秘(あるいは交互に繰り返す)

  • ガスが溜まりやすく、お腹が張る(腹部膨満感)

  • トイレの回数が多い(朝の通勤前など)

  • 排便後もスッキリしない、残便感

  • 症状がストレスと明確に連動することが多い


4. 分類(主に4タイプ)

下痢型(IBS-D)
急な便意・水様便が多く、外出時不安が強い

便秘型(IBS-C)
お腹の張り、残便感、排便困難が特徴

混合型(IBS-M)
下痢と便秘を交互に繰り返す

分類不能型(IBS-U)
明確に分類できないが症状が持続


5. 診断方法

  • ローマIV基準(機能性消化管障害の国際基準)
     └ 直近3か月間に週1回以上の腹痛があり、排便と関連があること

  • 除外診断が前提:大腸内視鏡、便潜血、炎症マーカーで他疾患を除外(潰瘍性大腸炎・クローン病・大腸がんなど)


6. 治療方法(西洋医学)

食事療法・生活習慣改善

  • 低FODMAP食(発酵性糖質を減らす)

  • 食物繊維の種類と摂取量の調整

  • カフェイン・アルコール・乳製品の制限

  • 規則正しい生活・睡眠・ストレスケア

薬物療法

  • 消化管運動調整薬(トリメブチンなど)

  • 整腸剤(ビフィズス菌・ラクトバチルスなど)

  • 下痢止め・便秘薬(症状に応じて)

  • 抗不安薬・抗うつ薬(心身両面のバランス調整として)


7. 予後と注意点(西洋医学)

  • 命に関わる疾患ではないが、精神的・社会的に大きな負担を与える

  • 治療に対する反応には個人差が大きく、一発で治るものではない

  • ストレスや季節変動で再発しやすいため、長期的な体質管理が重要


8. 東洋医学での解釈

IBSは、東洋医学では以下のように捉えられます

  • 肝気犯脾型:ストレスで肝の気が滞り、脾胃の働きを妨げる(典型的なIBS)

  • 脾虚型:消化機能が弱く、気の巡りや排便リズムが乱れやすい

  • 寒湿型:冷え・湿気の侵入により腸の動きが不安定になる

  • 気滞血瘀型:長期のストレスや内臓緊張により気血が詰まる

東洋医学では、「腸は脳の鏡」と捉えられ、感情の停滞が腸の動きを狂わせると考えられます。


9. 鍼灸でのアプローチ

当院では以下のような施術を行っています

● 自律神経の調整

  • 百会・神門・内関・肝兪などでストレス緩和と気の巡りを改善

  • 腸の過緊張・過敏を鎮める目的で、腹部(天枢・関元・中脘など)にもアプローチ

● 消化機能の改善

  • 足三里・脾兪・胃兪で脾胃の機能向上を図る

  • 腹部への温灸や接触鍼で副交感神経を優位に導く

● 腸のタイプに応じた弁証治療

  • 下痢型:冷えを取り、腸の収縮を穏やかに

  • 便秘型:気滞・血瘀を除き、腸の潤いと動きを促進


10. 参考資料


まとめ

過敏性腸症候群は、「異常がないと言われたけど、つらい」という人のための疾患です。
西洋医学の分類・薬も重要ですが、“なぜ今の体が不安定なのか”を見つめ直す視点が根本改善の鍵となります。

東洋医学では、腸を「気・血・水・感情」が交差する“第二の脳”と捉え、体と心を同時に整えることで自然なリズムを取り戻すことを目指します。

便の状態は、体からの手紙。
読み解きながら、丁寧に整えていきましょう。

当院では患者の利益を最優先に考えていますので、東洋医学に理解のある医師、病院からの連携、相談を歓迎しております。

※当院では、医学的な診断・治療・医療的アドバイスは一切行っておりません。鍼灸施術は医療行為ではなく、効果には個人差があります。
※持病をお持ちの方、治療中の方には、医療機関の受診・継続的な通院を強く推奨しています。
※当院の施術は、病気そのものへの治療ではなく、症状の緩和や体質改善、生活の質の向上を目的としています。
※症状や医療機関での治療状況によっては、医師の診断・同意書・連携が必要となる場合があります。


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岡田家鍼灸院 由布院本院
Okada Family Acupuncture & Moxibustion
Clinic Yufuin

2016年に東京で開業した院を移転、
2023年12月、自然に囲まれた大分県、由布院。
由布岳のふもとに新たな拠点を開院しました。
Originally opened in Tokyo in 2016,
the clinic was relocated to Yufuin, Oita in December 2023.
Now based at the foot of Mount Yufu, it offers care in a serene, natural setting.

住所
Address

大分県由布市湯布院町川上1266-8
1266-8 Kawakami, Yufuin-cho, Yufu City,
Oita Prefecture Japan

Tel

+81 090-7525-8781

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午後1時ー6時 完全予約制
13:00-18:00 (on) a subscription-only system

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