感染症

小児麻痺(Poliomyelitis)

2025/8/1

1. 特徴

小児麻痺(ポリオ)は、ポリオウイルスによって脊髄前角(運動神経)に炎症が起こり、運動麻痺や筋萎縮を引き起こす感染症です。

かつては大流行した重大疾患であり、日本でも昭和中期までは多くの患者が存在しました。現在ではワクチンによってほぼ発生は抑えられていますが、かつて罹患した方の後遺症や、ポストポリオ症候群(PPS)への対応は依然として必要です。


2. 原因

  • ポリオウイルス(エンテロウイルス属)に感染することで発症

  • 経口感染(汚染された水や手指から)

  • ワクチン未接種者への感染リスクが高い

  • ウイルスが中枢神経(特に脊髄前角)に達すると麻痺が出現


3. 症状

発症当初(急性期)

  • 発熱、頭痛、倦怠感、咽頭痛、筋肉痛

  • 進行すると、片側の下肢に弛緩性麻痺(動かないが硬くない)が出現

  • 反射消失・筋力低下

  • 呼吸筋麻痺による重症例も存在

後遺症として

  • 片麻痺・歩行障害・筋力左右差

  • 関節拘縮・骨格変形(側弯など)

  • 長年の代償運動による腰痛・肩こり・膝痛などの二次障害

  • ポストポリオ症候群(PPS):成人後に再び筋力低下・疲労・痛みなどが進行することがある


4. 分類

  • 不顕性感染型:症状なく経過(90%以上)

  • 軽症型(無麻痺性):発熱や風邪症状で終わる

  • 中枢神経型(麻痺性):実際に運動麻痺が起こる
     └ 最も重いタイプ(約1%)


5. 診断方法

  • 病歴聴取(過去の流行期やワクチン歴)

  • 脊髄液検査(急性期)

  • ウイルス検出(便、咽頭ぬぐい液)

  • MRI(中枢神経の変化確認)

  • 電気生理検査(筋電図、神経伝導速度)
    ※現在の診断はほぼ「既往歴+後遺症症状」に基づく


6. 治療方法(西洋医学)

急性期:

  • 特異的治療なし(対症療法)

  • 呼吸補助、体温管理、水分補給

回復期・後遺症期:

  • 理学療法(リハビリ):関節拘縮予防、歩行訓練、筋力維持

  • 装具療法:短下肢装具、足底板など

  • 手術療法:関節形成、腱移行など機能補完


7. 予後と注意点(西洋医学)

  • 急性期を乗り越えた後も、麻痺や変形は長期間残るケースが多い

  • 特に成人以降、ポストポリオ症候群(PPS)に注意
     └ 疲労感、筋力低下、筋痛、呼吸障害など

  • 一見治ったように見えても、体力的には非常に脆弱な状態であることも多い


8. 東洋医学での解釈

小児麻痺は、東洋医学では以下のように捉えられます

  • 痿証(いしょう):手足の筋肉が痩せ、力が入らない状態

  • 腎虚・脾虚型:発育不足・体力低下による筋骨の衰え

  • 気血両虚型:エネルギーと栄養の不足で筋肉が萎縮

  • 瘀血阻絡型:回復期に血流が滞ってリハビリが進まない

ポイントは、「動かないところに“気”と“血”を送り、再び動かすこと」。
神経が切れていない限り、経絡は“動きの地図”を保っています。


9. 鍼灸でのアプローチ

当院では以下のような施術を行っています

● 筋力低下・麻痺部への対応

  • 運動神経領域の経絡を刺激(足陽明胃経、足太陽膀胱経など)

  • 局所には低周波鍼通電や温灸を併用し、筋収縮のサポートと血流改善を促進

● 全身機能の強化

  • 腎兪・脾兪・足三里などを使い、「筋を養う内臓」機能を高める

  • 腰痛・肩こりなどの二次的代償部位の緩和も併せて対応

● PPS(ポストポリオ症候群)への対応

  • 疲労感や筋肉痛には、全身調整+局所血行改善を両立させる

  • 「頑張らせすぎず、衰えすぎず」のバランスを保つことが重要


10. 参考資料


まとめ

小児麻痺は、ウイルス感染という一点から始まるものの、その後の人生すべてに影響を与える疾患です。

だからこそ、症状そのものではなく「どのように生きていくか」に寄り添う統合的なサポートが求められます。

西洋医学による構造的補完に加えて、東洋医学では「気・血・経絡」の視点で、
麻痺した体に“再び道をつくる”というアプローチが可能です。

回復は、神経や筋だけの問題ではなく、「体全体のめぐり」が鍵となります。

当院では患者の利益を最優先に考えていますので、東洋医学に理解のある医師、病院からの連携、相談を歓迎しております。

※当院では、医学的な診断・治療・医療的アドバイスは一切行っておりません。鍼灸施術は医療行為ではなく、効果には個人差があります。
※持病をお持ちの方、治療中の方には、医療機関の受診・継続的な通院を強く推奨しています。
※当院の施術は、病気そのものへの治療ではなく、症状の緩和や体質改善、生活の質の向上を目的としています。
※症状や医療機関での治療状況によっては、医師の診断・同意書・連携が必要となる場合があります。


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岡田家鍼灸院 由布院本院
Okada Family Acupuncture & Moxibustion
Clinic Yufuin

2016年に東京で開業した院を移転、
2023年12月、自然に囲まれた大分県、由布院。
由布岳のふもとに新たな拠点を開院しました。
Originally opened in Tokyo in 2016,
the clinic was relocated to Yufuin, Oita in December 2023.
Now based at the foot of Mount Yufu, it offers care in a serene, natural setting.

住所
Address

大分県由布市湯布院町川上1266-8
1266-8 Kawakami, Yufuin-cho, Yufu City,
Oita Prefecture Japan

Tel

+81 090-7525-8781

営業時間
Business Hours

午後1時ー6時 完全予約制
13:00-18:00 (on) a subscription-only system

営業日
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月曜日〜日曜日(休業日なし)
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