呼吸器疾患

肺気腫(Pulmonary Emphysema)

2025/8/2

1. 特徴

肺気腫とは、肺の中の肺胞(ガス交換をする袋状の構造)が壊れ、酸素を取り込む機能が低下する疾患です。
呼吸はできているのに酸素が取り込めないというジレンマにより、慢性的な息切れ・労作時の呼吸困難が現れます。

「慢性閉塞性肺疾患(COPD)」という診断名の中に含まれ、特に喫煙歴がある中高年男性に多く、進行すると日常生活に深刻な影響を及ぼします。


2. 原因

  • 長年の喫煙(最大の原因)

  • 大気汚染、粉塵、有害ガスの吸引

  • α1-アンチトリプシン欠損症(まれな遺伝性要因)

  • 長年の慢性気管支炎や呼吸器感染の繰り返し

  • 高齢による自然な肺の変性


3. 症状

  • 労作時の息切れ(歩行・階段などで顕著)

  • 長引く咳・痰

  • 胸が膨らんでいる(樽状胸郭)

  • 呼気に時間がかかる(呼吸が浅く、長い)

  • 体重減少、全身の疲労感

  • 進行すると、安静時でも息苦しい・酸素吸入が必要


4. 分類(主なタイプ)

  • 小葉中心性肺気腫:喫煙に関連しやすく、上葉に多い

  • 汎小葉性肺気腫:遺伝性(α1-AT欠損症)に多く、下葉に広がる

  • 周辺性肺気腫:気胸を引き起こしやすい

肺気腫単体で診断されることもあれば、「慢性気管支炎+肺気腫=COPD」として扱われることも多いです。


5. 診断方法

  • 胸部X線・CT:肺の過膨張、肺胞破壊、気腫性変化を確認

  • 呼吸機能検査(スパイロメトリー):1秒率(FEV1/FVC)の低下が特徴的

  • 動脈血ガス分析:酸素分圧(PaO₂)の低下、進行例ではCO₂上昇

  • 血液検査:α1-AT欠損のスクリーニング(まれ)


6. 治療方法(西洋医学)

薬物療法

  • 気管支拡張薬(β2刺激薬、抗コリン薬):吸入で気道を拡げる

  • 吸入ステロイド(炎症抑制)

  • 去痰薬、抗菌薬(感染時)

  • 酸素療法(安静時または労作時にSpO₂低下する場合)

非薬物療法

  • 呼吸リハビリ(腹式呼吸、呼気訓練)

  • 禁煙指導(絶対条件)

  • 栄養指導(呼吸に必要な筋肉の維持)


7. 予後と注意点(西洋医学)

  • 病状は年単位で進行し、元に戻ることはない(不可逆性)

  • 早期に禁煙・リハビリを開始することで進行を緩やかにできる

  • 感染(風邪・インフル・肺炎)が命取りになりやすいため、予防接種や生活管理が重要


8. 東洋医学での解釈

肺気腫は、東洋医学では以下のように分類されます

  • 肺気虚型:肺の力が弱く、息切れ・声が小さい・すぐ疲れる

  • 腎虚型(腎不納気):呼吸を支える腎の力が落ち、呼気・吸気ともに浅い

  • 痰湿型:体内に湿や痰が滞り、呼吸器の動きを妨げる

  • 気陰両虚型:慢性化して元気も潤いも不足する

東洋医学では、「肺は気を司り、腎は吸気を納める」とされており、肺と腎の協力関係を回復させることが鍵です。


9. 鍼灸でのアプローチ

当院では以下のようなアプローチを実施しています

● 呼吸機能の回復サポート

  • 肺兪・腎兪・中府・太淵・尺沢など、呼吸に関与する経穴を用いる

  • 腹式呼吸+横隔膜緩和施術で肺の可動域を広げる

  • 吸玉療法や温灸で胸背部の緊張緩和と巡りの改善

● 体力維持・疲労回復

  • 気を補うツボ(足三里・関元・気海)を併用

  • 肺陰を潤す経絡刺激で、咳・乾燥感の緩和

  • ストレス対策や不安感に対し、自律神経調整(百会・神門など)


10. 参考資料

  • 日本呼吸器学会「COPD診療ガイドライン」

  • WHO東洋医学分類:肺痿・咳嗽・喘症に該当

  • 鍼灸臨床報告「慢性閉塞性肺疾患に対する統合的介入」

  • 当院における症例記録と呼吸機能改善プログラム


まとめ

肺気腫は、静かに進行する「呼吸の余白がなくなる病」です。
薬での管理は大切ですが、体の使い方・呼吸の質・体力の土台を整えることは、それ以上に重要です。

統合医療では、「呼吸を整える=生き方を整える」と捉え、
肺の力を引き出し、腎の支えを強め、全身の巡りを整えるアプローチを行います。

「息がしにくい」と感じたその時が、体と向き合うきっかけ。
あなたの呼吸が、もう一度ゆったりと、深くなりますように。

当院では患者の利益を最優先に考えていますので、東洋医学に理解のある医師、病院からの連携、相談を歓迎しております。

※当院では、医学的な診断・治療・医療的アドバイスは一切行っておりません。鍼灸施術は医療行為ではなく、効果には個人差があります。
※持病をお持ちの方、治療中の方には、医療機関の受診・継続的な通院を強く推奨しています。
※当院の施術は、病気そのものへの治療ではなく、症状の緩和や体質改善、生活の質の向上を目的としています。
※症状や医療機関での治療状況によっては、医師の診断・同意書・連携が必要となる場合があります。


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岡田家鍼灸院 由布院本院
Okada Family Acupuncture & Moxibustion
Clinic Yufuin

2016年に東京で開業した院を移転、
2023年12月、自然に囲まれた大分県、由布院。
由布岳のふもとに新たな拠点を開院しました。
Originally opened in Tokyo in 2016,
the clinic was relocated to Yufuin, Oita in December 2023.
Now based at the foot of Mount Yufu, it offers care in a serene, natural setting.

住所
Address

大分県由布市湯布院町川上1266-8
1266-8 Kawakami, Yufuin-cho, Yufu City,
Oita Prefecture Japan

Tel

+81 090-7525-8781

営業時間
Business Hours

午後1時ー6時 完全予約制
13:00-18:00 (on) a subscription-only system

営業日
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