筋骨格系疾患

坐骨神経痛(Sciatica)

2025/8/3

1. 特徴

坐骨神経痛とは、腰からお尻、太もも・ふくらはぎ・足先にかけて走る「坐骨神経」に沿って現れる痛みやしびれの総称です。
多くは片側に症状が出現し、「ビリビリ」「ズキズキ」「締め付けられるような痛み」など、神経特有の不快感が特徴です。

原因はさまざまで、腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症、梨状筋症候群などが主な背景にあります。


2. 原因

  • 腰椎椎間板ヘルニア:椎間板が飛び出し、神経を圧迫

  • 脊柱管狭窄症:加齢などで脊柱管が狭くなり、神経根を圧迫

  • 梨状筋症候群:お尻の筋肉(梨状筋)が硬くなり、坐骨神経を圧迫

  • 骨盤のゆがみ・股関節の硬さ

  • 腫瘍や外傷、糖尿病性神経障害などまれな原因も

  • ストレスや冷えによる自律神経の乱れが増悪因子になることも


3. 症状

  • お尻〜太もも裏〜ふくらはぎ〜足先までの放散痛・しびれ

  • 歩行時、長時間座位・立位で悪化

  • 前屈や荷物を持つと痛みが強くなる

  • ふくらはぎがつる・感覚が鈍い

  • 片足のみの症状が多く、感覚異常や筋力低下を伴うこともある


4. 分類(テキスト形式)

坐骨神経痛は、以下のように分類されます

  • 神経根性坐骨神経痛
    腰椎から出る神経根が圧迫されることによって起こる。椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄が原因の多くを占める。

  • 非神経根性坐骨神経痛(末梢性)
    お尻や股関節周囲(特に梨状筋)で坐骨神経が圧迫される。画像所見で異常が出にくいが、症状は強く出ることがある。

  • 二次性坐骨神経痛
    骨盤内腫瘍、糖尿病、外傷などによる神経障害として起こる。鑑別が重要。


5. 診断方法

  • 問診・視診・整形外科的徒手検査(SLR、FNS、Kempなど)

  • X線・MRI:椎間板や脊柱管の異常を確認

  • 神経学的評価:知覚・筋力・腱反射の左右差

  • 骨盤・股関節の可動性、筋膜評価も含めて総合的に診断

  • 血液検査・神経伝導速度検査(糖尿病性神経障害との鑑別)


6. 治療方法(西洋医学)

  • 薬物療法:NSAIDs、プレガバリン、筋弛緩薬、ビタミンB12製剤

  • ブロック注射:神経根ブロック、仙骨硬膜外ブロック

  • 理学療法:ストレッチ、温熱、運動療法

  • 手術療法:保存療法で改善しない重度の椎間板ヘルニアや狭窄症に対して


7. 予後と注意点(西洋医学)

  • 多くは保存療法で3ヶ月以内に改善

  • ただし、しびれ・筋力低下・排尿障害を伴う場合は早期手術が望ましい

  • 再発や慢性化を防ぐには、姿勢・筋力・体幹バランスの調整が重要

  • 精神的ストレスが症状を増悪させる例も多い


8. 東洋医学での解釈

坐骨神経痛は東洋医学では「痺証(ひしょう)」や「腰腿痛」として扱われ、以下のようなタイプに分類されます:

  • 寒湿痺型:冷えや湿気が経絡に入り込み、下肢にしびれ・重だるさが出る

  • 瘀血型:血の流れが滞り、慢性的な痛みとしびれが出現

  • 肝腎虚型:年齢・疲労・慢性病で“腎”と“肝”が弱まり、筋骨・神経の働きが低下

  • 気滞血虚型:運動不足・ストレス・栄養不足で気と血が滞る状態

東洋医学では、「痛み=通じざれば則ち痛む」の原則に基づき、経絡の詰まりと体質のアンバランスを整えることで症状を改善します。


9. 鍼灸でのアプローチ

当院では以下のような施術を行っています

● 急性期の痛み・しびれの軽減

  • 阿是穴・委中・承山・崑崙・腰腿点などで坐骨神経経路の緊張緩和

  • 合谷・百会・太衝などで痛みの興奮を抑える

● 体質別の根本治療

  • 腎兪・命門・太谿・三陰交で腎気を補い、神経の再生力を底上げ

  • 血海・膈兪・肝兪で血流改善と瘀血除去

  • 陽陵泉・足三里・脾兪で筋肉と脾胃の機能を回復し、身体を支える力をつける

● セルフケア指導

  • ストレッチ、温灸、体幹強化の呼吸法など

  • 日常動作の癖・姿勢の調整アドバイス


まとめ

坐骨神経痛は、単なる「神経の圧迫」ではなく、
姿勢・筋肉・感情・生活環境すべてが影響し合って現れる“総合的な不調”です。

統合医療では、

  • 「構造の調整」+「経絡の流れ」+「体質の強化」
    の3方向からアプローチすることで、慢性化を防ぎ、根本改善へ導くことが可能です。

“脚の痛み”は、“体からのサイン”。
しっかり向き合えば、もう再発しない体を育てていくことができます。

当院では患者の利益を最優先に考えていますので、東洋医学に理解のある医師、病院からの連携、相談を歓迎しております。

※当院では、医学的な診断・治療・医療的アドバイスは一切行っておりません。鍼灸施術は医療行為ではなく、効果には個人差があります。
※持病をお持ちの方、治療中の方には、医療機関の受診・継続的な通院を強く推奨しています。
※当院の施術は、病気そのものへの治療ではなく、症状の緩和や体質改善、生活の質の向上を目的としています。
※症状や医療機関での治療状況によっては、医師の診断・同意書・連携が必要となる場合があります。


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西洋医学としての基本情報、東洋医学での解釈、視点の2つで記事を書いています。
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岡田家鍼灸院 由布院本院
Okada Family Acupuncture & Moxibustion
Clinic Yufuin

2016年に東京で開業した院を移転、
2023年12月、自然に囲まれた大分県、由布院。
由布岳のふもとに新たな拠点を開院しました。
Originally opened in Tokyo in 2016,
the clinic was relocated to Yufuin, Oita in December 2023.
Now based at the foot of Mount Yufu, it offers care in a serene, natural setting.

住所
Address

大分県由布市湯布院町川上1266-8
1266-8 Kawakami, Yufuin-cho, Yufu City,
Oita Prefecture Japan

Tel

+81 090-7525-8781

営業時間
Business Hours

午後1時ー6時 完全予約制
13:00-18:00 (on) a subscription-only system

営業日
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