筋骨格系疾患

むち打ち症(Whiplash Injury)

2025/8/1

1. 特徴

ムチウチとは、外力によって首がむちのようにしなる動きを強いられたときに起こる首の障害です。
特に交通事故(追突事故)に多く、首の筋肉や靭帯、関節包、神経に微細な損傷を起こします。

初期は単なる「首の痛み」でも、後から頭痛・めまい・吐き気・手のしびれ・集中力低下などの自律神経症状が出てくることもあり、軽視できません。


2. 原因

  • 追突事故による首の過伸展・過屈曲

  • スポーツや転倒による首の急な動き

  • 日常の急ブレーキ・振り向き動作による負荷

  • 外力自体は軽くても、筋・靭帯・椎間関節・神経・血管など複数の組織が影響を受ける


3. 症状

  • 頚部の痛み・こわばり

  • 頭痛・後頭部の重さ

  • 肩こり・肩甲骨周囲の痛み

  • 手のしびれ・脱力感

  • めまい・吐き気・ふらつき

  • 疲労感・睡眠障害・イライラ(自律神経失調)

症状は事故直後に出ることもあれば、数日〜数週間後に遅れて出ることもあり、慢性化しやすいのが特徴です。


4. 分類(日本整形外科学会分類)

  1. 頸椎捻挫型(最も一般的)

  2. 神経根症状型(しびれや放散痛がある)

  3. バレー・リュー型(自律神経症状が中心)

  4. 脊髄損傷型(重症:まれ)

  5. 脳脊髄液減少症型(外傷性に脳脊髄液が漏れる)


5. 診断方法

  • 症状の詳細な問診(事故の状況、発症タイミング)

  • 触診、可動域テスト、神経学的検査

  • 画像検査(X線、MRI、CTなど)
     ※画像に異常がなくても、症状が強いことも多い


6. 治療方法(西洋医学)

  • 安静・頸椎カラー(初期数日)

  • 薬物療法:消炎鎮痛薬、筋弛緩薬、精神安定剤など

  • 理学療法:温熱、電気治療、牽引、マッサージ

  • ブロック注射:痛みが強い場合に神経ブロックを行うことも

ただし、急性期の過度な安静はかえって慢性化を助長することもありタイミングを見たリハビリ開始が重要です。


7. 予後と注意点(西洋医学)

  • 2〜3週間で改善するケースが多いが、15〜20%は慢性化

  • 慢性化した場合、うつ・不眠・社会復帰困難に至ることも

  • 「異常なし」と言われても、症状が残ることへの不安や孤独感が大きなストレスになる


8. 東洋医学での解釈

ムチウチは、東洋医学では以下のように解釈されます

  • 気血の滞り(瘀血)による痛みやこり

  • 経絡の断絶(気の流れの遮断)による麻痺・だるさ

  • 肝の失調(情緒と自律神経の乱れ)によるめまい・吐き気

  • 腎虚+瘀血型:打撲が深く、回復力が落ちた状態

特徴的なのは、「表面的な損傷以上に、“中が詰まって巡らない”感覚」が持続すること。
これは経絡で見ると、頚部の“通路が塞がっている”状態に似ている
と考えます。


9. 鍼灸でのアプローチ

当院では以下のようなアプローチを行っています

● 急性期(初期の強い痛み)

  • 経絡の流れを助けながら炎症を抑える鍼灸(接触鍼・浅刺)

  • 頚部の筋緊張緩和、痛みの拡散(風池、肩井、天柱など)

  • 耳鍼や耳ツボで自律神経の安定も図る

● 回復期・慢性期

  • 瘀血を取り除き、滞っている経絡を再び通す(太衝、血海、膈兪など)

  • 頭痛・めまい・不眠には百会・内関・太渓などの全身調整

  • 背部兪穴で、ストレス・睡眠・情緒を整える

● 併用療法と指導

  • 頚部の安定性と可動性を整える運動指導(ストレッチ・呼吸)

  • 湿布・枕の調整、冷えの対策など生活環境の見直しも含める


10. 参考資料


まとめ

ムチウチは、「外から見えにくく、でも確実に“中がズレて滞る”障害」です。
西洋医学では構造や神経の観点からアプローチしますが、東洋医学では“気・血・経絡”の流れを回復させることで、根本的な違和感を整えます。

治療において大切なのは、「異常なし」と言われた不安に寄り添い、体が発している“ズレ”や“つまり”を丁寧に読み取ること

「どこも悪くない」と言われても、「つらい」は本物です。
だからこそ、統合医療の立場から、あなたの体と心に寄り添ったサポートを提供します。

当院では患者の利益を最優先に考えていますので、東洋医学に理解のある医師、病院からの連携、相談を歓迎しております。

※当院では、医学的な診断・治療・医療的アドバイスは一切行っておりません。鍼灸施術は医療行為ではなく、効果には個人差があります。
※持病をお持ちの方、治療中の方には、医療機関の受診・継続的な通院を強く推奨しています。
※当院の施術は、病気そのものへの治療ではなく、症状の緩和や体質改善、生活の質の向上を目的としています。
※症状や医療機関での治療状況によっては、医師の診断・同意書・連携が必要となる場合があります。


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西洋医学としての基本情報、東洋医学での解釈、視点の2つで記事を書いています。
病名が分からない方は下記の疾患系統からお探し下さい。

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岡田家鍼灸院 由布院本院
Okada Family Acupuncture & Moxibustion
Clinic Yufuin

2016年に東京で開業した院を移転、
2023年12月、自然に囲まれた大分県、由布院。
由布岳のふもとに新たな拠点を開院しました。
Originally opened in Tokyo in 2016,
the clinic was relocated to Yufuin, Oita in December 2023.
Now based at the foot of Mount Yufu, it offers care in a serene, natural setting.

住所
Address

大分県由布市湯布院町川上1266-8
1266-8 Kawakami, Yufuin-cho, Yufu City,
Oita Prefecture Japan

Tel

+81 090-7525-8781

営業時間
Business Hours

午後1時ー6時 完全予約制
13:00-18:00 (on) a subscription-only system

営業日
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月曜日〜日曜日(休業日なし)
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