歯科疾患
歯周病(periodontal disease)
2025/7/30
歯周病(ししゅうびょう)は、歯を支える組織(歯ぐき・歯槽骨など)に炎症が起こり、進行すると歯が抜けてしまう病気です。中高年層の多くが発症しており、日本では成人の約8割が何らかの歯周病を抱えていると言われています。また、最近では歯周病が全身疾患とも関係することが明らかになっています。
1. 歯周病の特徴
原因は歯垢(プラーク)や歯石に含まれる細菌
進行性の慢性炎症で、放置すると歯を失う
生活習慣病と密接に関係(糖尿病、心疾患、誤嚥性肺炎など)
痛みが少なく進行するため気づきにくい
2.歯周病の原因
(1) 細菌感染(プラークとバイオフィルム)
歯周病の最大の原因は歯垢(プラーク)であり、細菌のかたまりです。特にP. gingivalisなどの嫌気性菌が歯周ポケット内で繁殖し、歯肉に炎症を引き起こします。
(2) 免疫異常と炎症反応
TNF-α、IL-1、IL-6などのサイトカインが過剰に分泌され、自己免疫反応のような慢性炎症が続きます。
(3) 生活習慣の影響
喫煙
糖尿病
ストレス
栄養不足(ビタミンC・D、亜鉛など)
不十分な歯磨き・口呼吸
3.歯周病の症状
(1) 初期症状(歯肉炎)
歯ぐきの赤み、腫れ
歯磨き時の出血
口臭
(2) 中等度~重度の歯周炎
歯ぐきが下がる(歯肉退縮)
歯のグラつき、噛むと痛い
歯周ポケットの深さ増大
膿の排出
(3) 全身症状
慢性的な疲労感
糖尿病や心臓病の悪化
妊娠中の早産リスク増大
4.歯周病の分類(タイプ)
歯肉炎型:可逆的な炎症、骨の吸収なし
慢性歯周炎型:中高年に多く、進行はゆっくり
侵襲性歯周炎型:若年層にも発症、進行が急速
全身疾患関連型:糖尿病、白血病などとの関連
薬剤性歯肉増殖型:抗てんかん薬・免疫抑制剤などの副作用
5.診断方法
(1) 問診・視診
歯ぐきの腫れや出血の確認
生活習慣、既往歴の確認
(2) 歯周ポケット検査
ポケットの深さ(通常は3mm以下)
(3) レントゲン検査
歯槽骨の吸収状態を確認
(4) 細菌検査(必要に応じて)
PCRによる歯周病菌の検出
6.治療法
6-1. 歯科的治療
スケーリング:歯の表面の歯石除去
ルートプレーニング:歯根表面のクリーニング
歯周外科処置:重度の場合に外科的にポケットを除去
再生療法:エムドゲインなどによる骨再生療法
6-2. 薬物療法
抗菌薬(メトロニダゾール、アモキシシリン)
抗炎症薬、ステロイド薬(必要に応じて)
殺菌洗口剤(クロルヘキシジンなど)
6-3. 生活習慣の改善
禁煙、規則正しい生活
ビタミンC・D・亜鉛などの補給
ストレス管理、口呼吸の改善
7.歯周病の予後と注意点
初期段階での対応で進行は食い止められる
放置すると歯を失うだけでなく、糖尿病や心疾患に悪影響
治療後も継続的なメンテナンス(3~6ヶ月に1回の定期検診)が必要
全身の健康状態にも目を向けた統合的な管理が望ましい
8.歯周病に対する鍼灸治療の可能性
8-1. 鍼灸の効果とメカニズム
炎症や痛みの軽減(免疫調整)
顎関節周囲の血流改善
自律神経の調整とストレス軽減
消化吸収力の回復による口腔粘膜の栄養サポート
8-2. エビデンス(現状)
現時点では歯周病に対する鍼灸の大規模研究は少ないものの、
顎関節症に対する鍼灸の有効性
炎症性疾患への全身調整としての応用
などから、補助的な役割が期待されています。
9.参考資料
日本歯周病学会 https://www.perio.jp
厚生労働省 歯と口の健康 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411.html
WHO Oral Health Fact Sheets https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/oral-health
まとめと重要なポイント
歯周病は細菌感染と免疫異常、生活習慣が重なって起きる慢性疾患。
症状が出にくく進行するため、予防と早期発見が最重要。
歯科治療に加えて、生活改善や東洋医学的アプローチを取り入れることで、再発防止や全身管理が可能になる。
最後に
歯周病は「ただの口の病気」ではなく、全身の健康に大きく関わる疾患です。歯科医院での定期的なメンテナンスに加え、栄養・生活・ストレスケア・東洋医学の知恵を総動員して取り組むことで、より良い結果が得られるはずです。
岡田家鍼灸院では、歯周病と全身のつながりを意識した総合ケアを重視しています。医師や歯科医師との連携も可能ですので、お困りの方はお気軽にご相談ください。
※当院では、医学的な診断・治療・医療的アドバイスは一切行っておりません。鍼灸施術は医療行為ではなく、効果には個人差があります。
※持病をお持ちの方、治療中の方には、医療機関の受診・継続的な通院を強く推奨しています。
※当院の施術は、病気そのものへの治療ではなく、症状の緩和や体質改善、生活の質の向上を目的としています。
※症状や医療機関での治療状況によっては、医師の診断・同意書・連携が必要となる場合があります。

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