女性・婦人科疾患

子宮筋腫(Uterine Fibroids)

2025/1/8

目次

  1. 子宮筋腫とは?

  2. 子宮筋腫の原因

  3. 子宮筋腫の症状

  4. 子宮筋腫の診断基準

  5. 子宮筋腫の治療法

  6. 子宮筋腫のセルフケア

  7. 子宮筋腫の予防

  8. 子宮筋腫に対する鍼灸治療の可能性

  9. まとめと重要なポイント

  10. 最後に

子宮筋腫とは?

子宮筋腫は、子宮の筋肉層(平滑筋)から発生する良性腫瘍です。通常はがん化しませんが、症状や大きさによっては治療が必要な場合があります。発生する位置や数、大きさにより症状の現れ方が異なります。


1-2.特徴

  • 頻度: 30~50代の女性に多く見られ、日本人女性の20~30%が経験するとされています。

  • 性質: 良性腫瘍であり、がん化するリスクは極めて低い(1%未満)。

  • 種類: 子宮のどの部分に発生するかによって分類されます。


1-3.子宮筋腫の種類

  1. 筋層内筋腫(Intramural Myoma)

    子宮筋層内に発生する最も一般的なタイプ。子宮の拡大や月経量の増加を引き起こす。

  2. 漿膜下筋腫(Subserosal Myoma)

    子宮の外側に向かって発育し、他の臓器を圧迫することがある。腰痛や圧迫感の原因となる場合がある。

  3. 粘膜下筋腫(Submucosal Myoma)

    子宮内腔に向かって発育し、月経過多や不妊症の原因となりやすい。

  4. 茎付き筋腫(Pedunculated Myoma)

    筋腫が茎のような構造でつながり、回転することで痛みを引き起こすことがある。


2.子宮筋腫の原因

子宮筋腫の明確な原因は完全には解明されていませんが、以下の要因が関連していると考えられています。

  1. ホルモン依存性

    エストロゲンとプロゲステロンが筋腫の成長を促進する。閉経後にホルモンレベルが低下すると、筋腫が縮小することが多い。

  2. 遺伝的要因

    家族歴がある場合、リスクが高まる。

  3. その他の要因

    肥満や食生活(高脂肪食)がリスクを増加させる可能性がある。


3.子宮筋腫の症状

症状の有無や程度は筋腫の大きさや位置によって異なります。

主な症状

  1. 月経異常

    月経量の増加(過多月経)月経期間の延長

  2. 圧迫症状

    腰痛や腹部の膨満感頻尿や排便困難(膀胱や直腸が圧迫される場合)

  3. 不妊症や流産

    子宮内の環境を変化させ、着床を妨げることがある。

  4. 貧血

    過多月経による鉄欠乏性貧血。

  5. 痛み

    下腹部痛や性交痛。


4.子宮筋腫の診断方法

  1. 問診

    月経量、痛み、圧迫感などの症状について確認。

  2. 身体診察

    腹部や骨盤の触診。

  3. 画像診断

    超音波検査(エコー): 筋腫の大きさや位置を確認。

    MRI: 筋腫の詳細な構造や他の疾患との鑑別に使用。
    CT: 筋腫が大きい場合や他の臓器との関係を見るため。

  4. 血液検査

    貧血の有無やホルモンレベルを確認。


5.子宮筋腫の治療法

治療は筋腫の大きさ、症状、患者の年齢や妊娠希望の有無によって異なります。

5-1. 経過観察

  • 無症状の場合や閉経後に筋腫が縮小する可能性が高い場合には治療を行わず、定期的な検査で経過を観察します。

5-2. 薬物療法

  • ホルモン療法
    GnRHアゴニスト: ホルモンレベルを一時的に抑制し、筋腫を縮小。
    低用量ピル: 月経量を減少させる。

  • 鎮痛剤 痛みや炎症の緩和。

5-3. 手術療法

  • 筋腫核出術
    子宮を温存し、筋腫だけを摘出。妊娠希望のある患者に適用される。

  • 子宮全摘術
    子宮ごと摘出。再発の心配がなくなるが、妊娠は不可能になる。

  • 腹腔鏡手術やロボット支援手術
    低侵襲の手術法。

5-4. 非手術的治療

  • 子宮動脈塞栓術(UAE):筋腫に栄養を供給する動脈を塞ぐことで筋腫を縮小させる。


6.子宮筋腫の予防と生活習慣

  1. 適切な体重管理
    肥満は筋腫のリスクを増加させる。

  2. バランスの取れた食事
    野菜や果物、繊維質を多く摂取し、高脂肪食を控える。

  3. ストレス管理
    ストレスはホルモンバランスに影響を与える可能性がある。

  4. 定期検診
    無症状でも定期的な婦人科検診を受ける。


7.子宮筋腫の妊娠・出産への影響

子宮筋腫は不妊症や流産のリスクを高めることがあります。ただし、すべての筋腫が妊娠に影響を与えるわけではありません。筋腫が妊娠に影響する場合、手術や治療を行うことが検討されます。

8.子宮筋腫に対する鍼灸治療の効果と可能性

鍼灸治療は、子宮筋腫そのものを物理的に縮小することは難しいですが、症状の緩和や血流の改善、ホルモンバランスの調整を通じて、症状の軽減や進行を抑制する可能性があります。以下に、鍼灸治療の効果と可能性を客観的に示します。

8-1.鍼灸治療のメカニズム

  1. 血流の改善

    鍼灸は骨盤内の血液循環を促進し、筋腫周囲の組織の酸素供給を改善します。これにより、痛みや膨満感、むくみなどの症状が軽減されることがあります。

  2. ホルモンバランスの調整

    鍼灸は、自律神経系を調整し、エストロゲンやプロゲステロンなどのホルモンバランスに影響を与える可能性があります。ホルモン依存性の筋腫の進行を抑える働きが期待されます。

  3. 疼痛の緩和

    鍼灸は、エンドルフィンやセロトニンなどの内因性鎮痛物質の分泌を促進し、痛みの伝達を抑制することで、月経痛や下腹部の痛みを軽減します。

  4. ストレス緩和

    鍼灸は精神的なリラクゼーション効果をもたらし、ストレスに起因する症状(ホルモンバランスの乱れなど)の軽減に寄与します。


8-2.鍼灸治療の具体的な効果

1. 症状緩和

  • 月経痛の軽減
    鍼灸が子宮収縮を抑制し、過多月経や月経痛を軽減することが報告されています。

  • 過多月経の改善
    血流改善やホルモンバランスの調整を通じて、月経量を減少させる可能性があります。

2. 精神的なサポート

  • ストレス軽減
    鍼灸はストレス関連ホルモン(コルチゾール)の分泌を抑制し、心身のリラックスを促進します。

3. 子宮環境の改善

  • 子宮内の血流を改善し、不妊症のリスクを低下させる可能性があります。


8-3.エビデンス(研究成果)

  1. システマティックレビュー

    子宮筋腫に伴う症状(特に痛みや月経異常)に対する鍼灸の有効性を示す研究があります。ただし、筋腫そのものの縮小に関する直接的な証拠は限られています。

  2. 臨床試験

    一部の臨床試験では、鍼灸が過多月経や月経痛を有意に軽減したと報告されています。ホルモン療法と組み合わせた治療で、症状の改善が促進された例もあります。

  3. 動物実験

    鍼刺激がエストロゲン受容体の活性を調整することで、ホルモン依存性疾患(子宮筋腫など)の進行を抑える可能性が示唆されています。


8-4.鍼灸治療の利点

  1. 副作用が少ない

    薬物療法や手術に比べて、鍼灸は体に負担が少なく、副作用がほとんどありません。

  2. 包括的なケア

    身体的症状(痛み、出血)だけでなく、精神的ストレスや自律神経の不調にもアプローチできます。

  3. 補完医療としての役割

    鍼灸は、西洋医学的治療(薬物療法や手術)の補完療法として有効です。特に、保存療法中や術後の回復期に役立ちます。


8-5.鍼灸治療の限界と注意点

  1. 筋腫そのものを除去することは困難

    鍼灸は主に症状の緩和を目的としており、筋腫の物理的な縮小や除去はできません。

  2. 効果には個人差がある

    症状の改善効果は個々の体質や筋腫の状態によります。

  3. 標準治療との併用が推奨

    筋腫のサイズや症状によっては、手術や薬物療法が必要となる場合があります。


8-6.鍼灸治療の適応となる患者

  • 軽度から中程度の子宮筋腫で症状がある患者。

  • 手術を避けたい、または補完療法として活用したい患者。

  • 月経痛や過多月経、不妊症の併存症状がある患者。


9.リソース

子宮筋腫とは 公益財団法人 日本婦人科腫瘍学会 https://jsgo.or.jp/public/kinshu.html

子宮筋腫に対する診療ガイドライン 公益財団法人 日本産科婦人科学会 https://www.jsog.or.jp/activity/pdf/glfujinka2023.pdf


10.まとめと重要なポイント

子宮筋腫は良性疾患であり、症状がなければ経過観察で問題ないことも多いですが、症状が強い場合や妊娠希望がある場合には適切な治療が必要です。患者のライフステージや希望に応じた治療法を選択することが重要です。専門医と相談し、自分に合った対応を見つけましょう。

鍼灸治療は、子宮筋腫に伴う症状の緩和や患者のQOL(生活の質)向上に役立つ可能性があります。特に、月経痛や過多月経、精神的ストレスの軽減に効果が期待されます。ただし、筋腫の物理的な縮小は難しいため、症状に応じて西洋医学的治療と併用することが推奨されます。治療を開始する際は、信頼できる鍼灸師や医師に相談し、適切な治療計画を立てることが重要です。

運動療法、食事療法を併用することがさらに望ましいです。


11. 最後に

日本人女性の3人に1人は子宮筋腫と言われています。
また、診断、治療をしているのは20歳〜49歳の1.5%と言われています。
病院にかかっていないが、子宮筋腫を抱えている方も多い事が推察されます。自覚症状が全くない場合もありますが、不調の原因が子宮筋腫が原因だと思ってもいない方も多いでしょう。

子宮の健康状態は女性の健康状態に直結します。
少しでも不調を感じている方は、検査しておくことが良いです。一方で、症状が強くない場合、筋腫が小さい場合、そのまま様子を見ましょうとなるケースも多いです。
しかし、本当にそれで良いのか?悪くなるのを待ち、悪化しない事を神頼み、運任せにするのではなく、積極的に治療を進めていく事をお勧めします。
それには食事療法、運動療法、生活習慣など生活を変える事が必要です。適切なアドバイスが受けられる先生を見つけましょう。

当院では患者の利益を最優先に考えていますので、東洋医学に理解のある医師、病院からの連携、相談を歓迎しております。

※当院では、医学的な診断・治療・医療的アドバイスは一切行っておりません。鍼灸施術は医療行為ではなく、効果には個人差があります。
※持病をお持ちの方、治療中の方には、医療機関の受診・継続的な通院を強く推奨しています。
※当院の施術は、病気そのものへの治療ではなく、症状の緩和や体質改善、生活の質の向上を目的としています。
※症状や医療機関での治療状況によっては、医師の診断・同意書・連携が必要となる場合があります。


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由布岳のふもとに新たな拠点を開院しました。
Originally opened in Tokyo in 2016,
the clinic was relocated to Yufuin, Oita in December 2023.
Now based at the foot of Mount Yufu, it offers care in a serene, natural setting.

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Address

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